2ちゃんねる ★スマホ版★ ■掲示板に戻る■ 全部 1- 最新50  

■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

夢枕獏の文体のガイドライン

292 :水先案名無い人:2005/06/26(日) 16:47:30 ID:UCZrqtSR0
その時背骨の底に生じたものは、怒りであった。
いや、怒りであったはずである。
それが、背骨の底から脳天まで奔り抜けてゆきながら、別のものに変貌してゆくのである。
駆け抜けてゆくそのほんの一瞬のうちに、それは別のものに変化していったのである。
それは、むしゃくしゃであった。
いや、それとも、それは生じたその時からむしゃくしゃであったのかもしれない。それが、始め、自分はわからなかっただけなのだ。
だれでもいい。
生――
死――
そんなものなどどちらだっていい。
どんなことになってもいい。
そう思う。
思ってから、すぐに、
“そんなはずはない”
その考えを打ち消す。
自分がどう考えているか、それはわかっている。
――反省。
そう考えている。
「今は反省している」
ぼそりとつぶやいた。
血を吐くようなつぶやきであった。

398 KB
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

★スマホ版★ 掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50

read.cgi ver 05.02.02 2014/06/23 Mango Mangüé ★
FOX ★ DSO(Dynamic Shared Object)